【横山験也のちょっと一休み】№.3004
算数と長年付き合ってきていますが、個人的にどうにも「反則」と思われる表記が3つあります。
1つは、分数です。
下から上に読むのは、国語の縦書きの基本に反しています。
小学校に入学して以来、国語は上から下に読むように学んできています。
それを忠実に守っている子は、分数の読み方に面食らってしまいます。
2つ目は、わり算の筆算です。
わり算の筆算はダブルでの反則性を持っています。
一つは、たし算・ひき算・かけ算の筆算形式を用いていないことです。
もう一つは、右の数から左の数へと読みます。この読み方は、国語の横書き、左から右に読む読み方に反しています。
ここでも、筆算形式の常識と横書きの常識を頑なに守っている子には、馴染みにくさが出てきます。
3つ目は、小数のたし算ひき算の筆算です。
それまでに習ってきた筆算は、どれも右端が揃っていました。それが小数のたし算・ひき算は位を揃えるために、右端が揃う必要が無くなっています。
形式上、右端が揃い続けてきたので、筆算は右端が揃うものと信じ込んできた子には、この筆算はちょっとしたカルチャーショックとなります。
この3つが、私の感じてきている「算数の3大反則」です。
こういう反則性を感じて、文句や御託を並べても、つまづく子のお役に立てません。
「だから、こうなのか」とストンと頭に入るような妙案を考えつくことが、私にとっての大事なポイントになります。
そんな風に、若い頃から思っていたので、1つ目も、2つ目も、3つ目も、私は私なりに解決策を生み出しました。
1と3については、『「夢中で算数」をつくるアイディア集』に載っています。
2は、若い頃に雑誌などを読んていて、ふとひらめいて、授業もしてきたのですが、イマイチ、パンチに欠けます。また、派手さもたりません。
結果、「B級アイディア」「C級アイディア」となっています。
それでも、今、こうして振り返ると、まあ、良い所を突いていると思えるので、いずれ、本に載せていきたいと思っています。
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