【横山験也のちょっと一休み】№.3660

小学校の3年4年で小数の学習します。
3年では小数第1位まで。0.5や2.8などです。
4年では小数第2位、第3位まで学びます。0.86や4.571などです。

3年生3.5などを学んだ時は、「これをさん点ごと読むんだよ」と教わると、子ども達もそうかと思って、「さん点ご」と読み上げてくれます。

それが4年になって、0.61を学んだ時に、まれに、本当にまれに、「れい点ろくじゅういち」と読む子がいます。
小学校の先生をしていたころの私は、算数が好きで工夫を良くしていましたが、知識が少なめでした。ですので、「ろくじゅういち」と読んでしまった子に、「ろくいち」と読むことをすぐに教えていました。それでも授業は何ら支障なく先に進みます。指摘を受けた子も、そういうものかと思い、言い方を直してくれます。

その後、算数の周辺への関心も高まり、小数の英語での表現も知り、小数の英語表現に「はっ」とさせられたことを覚えています。

たとえば、0.61なら、「sixty-one hundredths」と言う言い方があります。
一の位が0なので、そこは声に出さず、61の部分を「sixty-one hundredths」と読み上げるのです。
もちろん、「zero point six one」という言い方もあります。こちらは日本で使われている読み方と同じです。

もし、「sixty-one」を使う英語の言い回しを、先生をしている時に知っていたら、「れい点ろくじゅういち」と言った子に、語るべき言葉がグッと上質になっていたでしょう。
その言い方、英語にあるんだよ!」と英語での言い方を伝えて、それから日本では「ろくいち」なんだよねと話してあげられます。

先生から「英語にあるんだよ」と言われたら、周りの子はどう思うでしょう。「おおっ、すげーー!!」となります。間違えたことより、英語に近かったというところに脚光が集まり、友達を見る目も少し変わるかもしれません。
また、先生にそう言われた子は、英語への親しみが増すように思います。小数の英語での言い回しなどに関心を持ち、調べはじめる可能性もあります。

言い方を間違えたことが、自分なりの新たな関心を高めるきっかけにもなったかもしれません。なんとも、残念なことをしてしまったものです。

もともと算数は欧米からの輸入品です。江戸時代までの和算とは見た目も大きく違っています。まったく新たな勉強ととらえてもいいかもしれません。
それゆえ、英語で算数をどう表現しているかを調べてみるのも、算数の教養を高める良い勉強になります。

こういう話は載っていませんが、下の3冊には授業での面白い工夫がたくさん載っています。