【横山験也のちょっと一休み】№.2957
前回、ちょっと書いた「梯形」について、明治9年9月1日発行の『小学 形体線度略解』に少し載っていましたので、それをご紹介しましょう。
御覧のように、「梯形」に読み仮名として「ていけい」と書かれています。
この図の下に、簡単な解説が書いてあります。
その第1文は
「平行する二辺等しからず」です。
こういう言い回しに慣れていないので、新鮮に感じます。
次の文は
「平行せざる二辺等しき方形にして其形梯(かけはし)の如きものを云う」となっています。
平行でない2辺の長さが等しいと言っているのですから、ここで説明しているのは等脚台形となります。
ですので、この書を表した人は、等脚台形のことを梯形と呼んでいるのです。
感じ入ったのは、最後の「梯の如きもの」とあるところです。
「梯」と説明すれば、大方の人が「ああ、あの形か」と分かる時代だったのです。
今は、誰もわからなくなりました。
用語が違うというだけのことですが、調べていくのは楽しいです。
3月に発売になった私の本です。楽しい教材がたくさん載っています。
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