花巻での講演に向かう新幹線の中では,『枕草子』を読みました。この年になって『枕草子』ですから,かなりの読書音痴と言えます。まあ,それでも,読みたいという衝動が走るので,隣近所を気にせず,黙々と読み始めました。
ちょうど半分ぐらいまでは読み終えていましたので,新幹線の中は後半からのスタートです。
そうして,読み進めていたら,なんと,我が儘な子が登場してきました。
物を取り,散らかし,壊す子です。そんな子に「だめでしょ!」と制しても,そこにお母さんがやってきたもんだから,「あれみたい!ねえ,母ちゃん!」と我が儘を言うのです。そうして子どもが騒げば,親も親で「そんなことしちゃいけません」「壊しちゃいけませんよ」と言いつつも,なんと笑みを浮かべています。
平安時代にも我が儘な子はいたのです。ということは,いつの時代にもいるということです。それをいつの時代も周囲の人がダメと思うのです。
さすがの清少納言も切れたようで,「にくけれ」と子にも親にも言っています。
この下り,152段です。本棚の奥に眠っている枕草子がありましたら,152段を再読されてみてください。清少納言が「先生,がんばれ!」と時空を超えて応援してくれているような気持ちになってきます。