【横山験也のちょっと一休み】№.3668

大宮でのセミナー後の懇親会。
近くに座っていた先生方とワイワイ話すのですが、話のはずみで「教育の歴史の1ページをめくる」という話題になりました。
先生という仕事をしっかり全うするだけでも、実に素晴らしいことなのですが、できれば、何等かの事柄で教育の歴史を1ページめくるような発見や発明ができたら、それはよくやったと思えます。

そんな雰囲気の中、算数のわり算の筆算の「スイートポテト」の話をしました。
筆算をする際に、割られる数の末位の方の数を紙で隠します。その紙に書く言葉が決まっていて、それが「スイートポテト」だという、あの話です。
わり算ができなくなると、次の数を見せるために、紙を右にずらします。そのずらす時に音がします。スイーッと音がします。出てきた数は下におろします。降ろすときにも音がします。ポテッとと。「スイーッと動かして、ポテッと落ちる」だから、「スイートポテト」となります。

若い先生でしたが、「すとんと入りました」と言っていました。
オッと思ったのは、「どうやってこういうのを考え出したのですか」と口をついて話してくれたことです。こういう先生は伸びるだろうなと思います。
私は何と答えたのか、今は記憶から抜けています。
冷静になっている今でしたら、「具体的な問題意識を持ち続けていたこと」と答えるでしょう。スイートポテトについては、「立てる・かける・ひく・おろす」というアルゴリズムで「わり算の筆算文化」が止まっている現実を、何とか一歩先に進めたい、それにはどうしたらいいのかとふつふつと思い続けていたことで、ある日、目にした「スイートポテト」と書いある紙に、ガツンと来たわけです。

スイートポテトの話はここで終わりました。
しかしながら、私の中では、面白い映像が映っていました。
質問者A先生が現れ、「このユーモラスな実践は、セミナーで話した<始まりの指導言>と同じ<ロケット効果>を生み出すのでしょうか」と話しかけてきます。
私は、ニコッとして「その通りです」と答えます。
質問者は「やはり!」と安堵し、自分の分析が正しかったことを確信しています。

何度か、進化教育学の話を聞いていると、質問者A先生のように自分の頭で分析できる先生になっていきます。今、それをフランクな場で進めているのが「ジョナサンの会」です。

スイートポテトは下の白い本に載っています。ぜひ、お読みください。