【横山験也のちょっと一休み】№.2298

山中伸之先生の『所見辞典』は、本当に大人気です。素晴らしいです。

 
■次回、SG会の課題図書■
今月の21日は明石要一先生のSG会です。
今月の課題図書は、右の本です。

「一人殺せば悪人で、百万人殺せば英雄」という帯の言葉の方がグッと気を惹いています。
宇佐美先生っぽく言えば、カテゴリー違いのものを並列に並べた言葉となります。
それをどう説明しているのか、楽しみに読みました。
そうしたら、「仲間」という言葉でそれを説明していました。
優れた研究者だなぁと感心しました。

でも、本当はもう少し違う角度からも説明したかったのではないかと思えています。
ただ、その違う角度で書くと、AIに善悪の判断を教えるところから少し遠ざかってしまうので、わざと抑えているように思えました。

そうして、肝心のAIへの教えです。
これは面白いです。
具体的に思考を進めるのではなく、できるだけ俯瞰し、極限まで俯瞰し、0か1で考えるところから出発します。

明石先生がこの本を私に紹介してくれた時、「けんや君と考え方が似ているかもしれない」と言ってくれました。
それを感じたのが、このグイッと俯瞰して0か1で考えるところからスタートする形です。

これは、「道徳読み」のパート4、「通知表を付ける」頭の働きと類似しています。
通知表を付けるためには、頭の中で自然と作品を俯瞰しはじめます。
さらに、一番重要な道徳を選び出す作業もしています。
これを自分から行っていくところが、実に重要なところで、次第に道徳の軽重感覚が身についてきます。

東大教授の本は、およそ道徳の本らしからぬ内容なのですが、とても感動をしました。
もしかして、道徳読みで道徳の授業を受けた子が大学生になり、鄭氏が進めているAIに善悪の判断を教える研究の助手を務めるようになったら・・・なんて、ふと思ってしまいました。

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