神戸で「姿勢」について,お話をしました。
「行儀作法」とスクリーンに映っただけで,
先生方の姿勢がグッと良くなりました。
これが,まさに日本人なのです。
日本人は,基本的に良い姿勢が好きで,
良い姿勢をしていなければいけないと体にしみこんでいます。
これは,大筋,学校の教育の成果です。
学校の先生が,繰り返し繰り返し,姿勢を正すように言い続けてくれた成果です。
しかしながら,残念ながら,
子ども達の普段の姿勢は崩れています。
椅子に座ると,不思議とくじけた姿勢になってしまいます。
なぜ,そうなるのでしょう。
正しい座り方を知識として持っていないからです。
気持ちとして「良い姿勢は大事」と分かっているのですが,
椅子に座ったときの良い姿勢とはどういう姿勢なのか,
その知識がないのです。
基本は,椅子に深く腰掛けることです。
入門期は,椅子にできるだけ深く腰おろします。
この位置で状態を真っ直ぐにしたのが「真の姿勢」です。
作法には,「真行草」があります。
真は正しい姿勢です。
行は形を少し崩した姿勢です。
草は許せる範囲で形を崩した姿勢です。
椅子に座った姿勢にも,この真行草があるのです。
今回の講演では
真の姿勢から,体を楽にしてもらいました。
これが「草の姿勢」です。
腰の位置が奥深いので,真の姿勢も草の姿勢もそれほど大きな差がありません。
体を楽にしても,見た目は良い姿勢が保てます。
しかし,腰の位置が浅いと,草の姿勢より形が崩れてしまい,
許せる範囲を超えてしまいます。
この姿勢が「負けの姿勢」です。
これも体験してもらいました。
周囲を見ると,気の抜けるような雰囲気が感じ取れます。
この姿勢が主流になっているのが,今の学校です。
勉強にやる気がみなぎらないのも致し方ないと思います。
逆に,真の姿勢をしてもらい,周囲を見てもらいました。
雰囲気がグッとよくなります。
やる気が非常にある!という雰囲気になります。
姿勢の話をしたのですが,
「姿勢は静かなる格闘技」と話しました。
自分との戦いです。
心が折れると,すぐに「負けの姿勢」になります。
ですので,辛抱が大事となります。
「辛抱我慢も七日か十日」
多いに続けて戦って欲しいです。