3年生で学ぶそろばん。中身は右の通り,とても簡単な計算です。そろばんで珠をはじく前に,3年生なら答えがわかります。それでも,学ぶことになっています。先生方はきちんと指導をします。
ところが,この「きちんと教える」のがなかなか難しいのがそろばんです。
「5+6」です。そろばんに「5」を置くのは簡単です。問題は,「+6」です。これを行うために,まず,1珠を払います。でも,どうして1珠を払うのか,これを説明するのが大変なのです。
こんな時も,役に立つのが算数ソフトです。(『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』3年1巻)
珠の動かし方は,算数ソフトを見せれば,すぐにわかります。上の画面を見ての通り,どの指でどの珠を動かせばよいのか,見ているだけでわかるようになっています。
特に解説をすることもなく,数回繰り返してみせると,子ども達の頭には「ああ,そうか!」がやってきます。運指の理屈が見えてきます。理屈がわかった子は自然と説明をしたくなってきます。そのとき,「すごい!「五-二進法」が理解できている!」とほめてあげましょう。「五-二進法」というのは,一珠は5で繰り上がり,五珠は2で繰り上がる,そろばん特有の位取り法です。
「珠算」という言葉は,中国から伝わってきた言葉です。中国が後漢だった時代に記された『数術記遺』という書の中に,「珠算」という言葉が出ています。また,「そろばん」という名称は,「算盤」の中国語読み「スワンバン」が日本でなまって「そろばん」になったと考えられています。