【横山験也のちょっと一休み】№.3209
曽呂利新左エ門というとんちに強い人の話があります。
有名な話に、豊臣秀吉から褒美をいただけることになり、1日目は米1粒。2日目は2倍の2粒。3日目はその2倍の4粒・・・と倍々で増えて、100日間ください申し出た話があります。
皆さんも、どこかで一度は聞いたことのある話と思います。
初めは大したことのない数ですが、倍々で増えると、とんでもない大きな数になります。
この話を長さに置き換えて、1日目は1㎝、2日目は2㎝、3日目は4㎝、4日目は8㎝・・・としていったら、どうなるでしょう。
単位の換算もあり、距離感もあり、米粒より算数を味わえるようになります。
コンピュータなどに出てくる数値に、256や512、1024を見かけることがあります。
これらの数も倍倍の中で出てくる数です。
1を1回2倍すると2。
2回2倍すると4。
3回2倍すると8。
となり、8回2倍したのが256。
9回2倍したのが512。
10回2倍すると、1024となります。
ですので、2の10乗が約1000倍となります。
米粒などの話は、最初の1日目はただの1で、2倍をしていないので、2の10乗になるのは11日目となります。
そこに気を付けて数値を見ていくと、程よい覚えやすい数も見えてきます。
区切りの良い10日目(2倍を9回)は、512㎝(約5m)となります。
その10日後(20日目)は約1000倍ですから約5000m(5㎞)。
さらに10日後(30日目)は、その1000倍となり、約5000㎞。
日本からルワンダまでが約1万㎞でしたので、インド洋あたりになるでしょうか。
さらに10日後、つまり40日目は約500万km。
月までが約38万㎞です。27日目には月も通過しています。
10日で約1000倍。
これをさらに続けて、100日目になると宇宙の果てまであと数日となります。
この辺りを高学年の子に話すと面白いでしょうね。
興味を持った子は、冬休みにネットで宇宙を調べて、エクセルを使って計算して、わからないことは誰かに聞いて、宇宙の果てに届くのは何日目だ!と言い出すかもしれませんね。
曽呂利新左エ門のとんちは、冴えていますね。
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下の2冊には、曽呂利新左エ門の話は載っていませんが、算数の面白い教材アイディアがたくさん載っています。
関心のある先生、ぜひ、ご覧ください。
ネコちゃんも登場しています。可愛いです。