b7600野口塾の発問道場は「スイミー」でした。
事務局の阿部先生から,「発問道場では横山先生に絡んで欲しい」と前夜祭から言われていました。
その方が,どうも楽しくなるそうなのです。
そんなこともあり,ちょっと力を入れて読んでみました。

野口先生の発問道場が始まり,「スイミー」をざっと読み,問うべき所はここだなと目星を付けました。
スイミーは かんがえた。いろいろ かんがえた。
うんと かんがえた。

出てきた発問は,↓です。
スイミーは「いろいろ かんがえた」とありますが,「いちばん 大きな さかなのふり」の他に,何を考えましたか。2つ見つけて下さい。

ところが,この部分は今回の発問道場の範囲外でした。
今回はスイミーが逃げて泳いだところから,小さな魚の兄弟たちを見つけるまでが発問の対象範囲として指定されました。

急遽,変更です。
気になったのは,逃げて泳いでる途中で見た光景です。

1,にじいろの ゼリーのような くらげ。
2,水中ブルドーザーみたいな いせえび。
3,見た ことも ない さかなたち。
見えない 糸で ひっぱられて いる。
4,ドロップみたいな いわから 生えて
いる,こんぶや わかめの 林。
5,うなぎ。かおを 見る ころには,
しっぽを わすれて いるほど
ながい。
6,そして,かぜに ゆれる
ももいろの やしの
木みたいな いそぎんちゃく。

この中で注目すべきは1~6のどれなのか。それがわかれば,この作品の持つ全体の文脈がよく見えてきます。
しかし,「注目すべきはどれですか?」とストレートに聞いても,これでは教材研究をしている先生向けの問いになってしまいます。
授業用の子ども向けには,もう一ひねり必要です。
それをプリントに書き終え,非常に満足しました。

阿部先生は,私がその昔に話したことを良く覚えていてくれました。
「西洋の作家の作品にはキリスト教が入っている」と。
同様に,物語文を読むときには,こうしたちょっとした知恵を持っていると読み方が少し深まってきます。

物語文を読むときは,まず,素直に感動するようにします。
すると,その感動は,たいていの場合,「正義」「愛」「勇気」などと言った側面から心を動かされて起きていることがわかります。

スイミーでは,最後の方で考えて,みんなをさそって,教えて,マグロを追い出しました。このあたりに,ググッと感動がやってくるのです。

すると,今回は「勇気」と「知恵」がどうも自分の感動の中味と思えてきます。
勇気の線で全体を読み直し,知恵の線で全体を読み直します。
すると,「勇気はイマイチだが,知恵には蓄積がある」などと気づいてきます。
問うべきことは自ずと定まってきます。

物語文は感動するだけで十分OKなのですが,こういう道筋を考えるのもそれなりに楽しいです。
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