【横山験也のちょっと一休み】№.3739

諸野脇氏から道徳のレポートが提案されました。
よく読むと、実に驚くことが見えてくる秀逸の論であることが分かります。大げさに言えば、道徳の指導要領は後年、記述を大幅に変えないとならないと言うことが見えてくるレポートなのです。
そう思うと、このレポートが実に貴重に思え、保存袋に入れることにしました。

タイトルは 「道徳」授業で人間を「よく」できるか です。

進化心理学から見るとできないとなります。なぜできないのかはレポートに詳しく書かれています。
私の目が釘付けになったのは、その論の最後に、諸野脇氏が引用した指導要領の一節です。
「誰に対しても差別することや偏見をもつことなく、公正、公平な態度で接し、正義の実現に努めること。」(「特別の教科 道徳」第5学年及び第6学年)

この引用を読み、諸野脇氏は近い将来指導要領の表記を論じることになりそうと予感がしました。引用のフレーズの順番が諸野脇氏の主張通り、このままでは達成不可能と分かるからです。

達成不可能だからと言って指導要領に文句を言っても何も始まりません。先生方が意識をどこに向けたらよいかが分かるような順に書き改めることが肝要となります。
まずは、ここから研究していくのも道徳への意義ある活動となります。

来月には、このあたりの事を諸野脇氏と語り合いたいと思います。

進化心理学の事は書いてありませんが、『道徳読み』はいい本です。