【横山験也のちょっと一休み】№.3738

小数の話を一つ。
「3.85」を見て、「3点八十五」と読んでしまう子が稀にいます。
そう読む子がいても、すぐに「3点八五」と読むようになります。
ですので、「3点八十五」と読む子がいても、あまり気に留める必要もありません。周囲が普通の言い回しで読み続けていたら、すぐにそれに染まります。

でも、この「八十五」という読み方が気になった場合は、もうすっかり「八五」とよむようになってから、「なぜ八十五と読まないのか」を、子ども達に検討させてみるのも楽しいです。

「なんで、3点八十五とは読まないんだろう。」
そんなことを突然言われても、すでに「八五」が当たり前であり、「八五」以外の読み方は全く念頭に無い状態になっているので、子ども達は、一瞬きょとんとなります。「え~、わかんない」「そんなの知らない」と言いつつも、その後すぐに、頭があれこれと巡りはじめます。分からないと言いつつも、なんとか筋の通った理屈を考えようとします。ここが面白いところです。

雑な話ですが、常識をなんでと問うと、論理的な思考が始まるのです。

そうして、子ども達が考え付いたことの中から、多くの子が納得した説明に対して、「なるほどね、君の考えは説得力がある!」と認めていくと、とにかく考えて話に筋をつけることの面白さが分かってきます。

子ども達の考えの中に、「小数点以下がグンと増えたら読むのが大変」というのがでてきていたら、それを取り上げて、読みの違いを体験してもらうように進めます。
「3.85179035867」なんて続いたら、読み始めの位を考えてから「3点八百五十一億・・・」と読むことになります。時間が大きくかかります。これを普通に読むと、あっという間に読み終わります。
この体験が、普通の小数の読み方がとても合理的な読み方であることを印象付けることになります。

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