『10の力を育てる出版学習』(横田経一郎/さくら社)
この指導法,一押しです!
たとえば・・・
「ひらがなぶっく」「カタカナブック」を作るんです。もちろん,1年生です。
理科室で使う,実験器具の「使い方説明書」を作るんです。自分でも気をつけるようになるだけでなく,取扱説明書のような説明文を書く力がつきます。
算数で「面積ブック」を作るんです。勉強したことはもちろん,参考書などを持ち寄って,まとめます。テストの前の復習にも役立ちますし,来年の子に残したら,「こういうのを作るんだ!」と分かると,グイッとモチベーションが上がります。
こういうあれこれが満載されています。
しかも,「作る形」もあれこれあります。1枚の紙に切り込みを入れるだけで作れる冊子も登場してきます。各種,表現方法が学べます。
なにしろ,これまでの作文・まとめの多くは「読者=先生」でした。読者が1名というのは,寂しいものです。でも,「出版学習」は作品を形にまとめるので,読者層が一気に広がります。
クラスの子はもちろん,下級生,地域の人たち・・・
インターネットのブログやツイッターなどもそうですが,読んでくれる人が多くなると,やる気がでます。そこから,読者意識が高まり,役立つ内容を書こう!と思考が進んでいきます。
これが,「出版学習」です。良い方向でのスパイラルが始まる素晴らしい方法です。
それだけでなく,「出版学習」(欧米では日常的に行われているそうです)を行うことでついてくる「10の力」も明示されています。
「意欲」「読解力」「論理的思考力」「編集力」「メタ認知力」
「読書力」「表現力」「自己肯定力」「コミュニケーション力」「愛着の深化」
それぞれの解説を読むと,思わず納得します。
ぜひ,ご一読を!