元ジャストシステムにいらっしゃった,現在,福分堂の村岡社長から,戦前の教科書を段ボールに2箱もいただきました。
右の写真は,その中の1冊,『初等科理科 三』,つまり,小学校3年生の理科の教科書に載っていた写真です。
実に,良い姿勢ですよね。
教科書にも,「図のように,正しく腰をかけ」と出ています。
戦前には,この姿勢で座ることが正しい姿勢とされていたことが,よく分かります。
こういう姿勢のことを,森信三先生は「立腰(りつよう)」と言っていました。
「腰骨を立てる」 姿勢ということです。
立腰には10の功徳があると本に書かれたのは,九州大学医学部の教授だった池見酉次郎先生です。
1,やる気がおこる
2,集中力が出る
3,持続力がつく
4,頭脳(あたま)が冴える
5,勉強が楽しくなる
6,成績も良くなる
7,行動が俊敏になる
8,バランス感覚が鋭くなる
9,内蔵の働きがよくなる
10,スタイルが良くなる
『人間回復の医学』(創元社)
この効能は姿勢を良くしている本人の内に表れてくる効能です。
「内的効能」 とでも呼んでおきましょう。
正しい姿勢をすると,内的効能の他に,見ている人に映る自分の姿が変わってきます。
1.しっかりしている人に見える
2,心正しき立派な人に見える
これが徐々に自分に戻ってきます。
「姿勢がいいですね」というお声を頂くようになり,次第に,自分自身が
1,芯のしっかりした人になっていく
2,心正しき人になっていく
ようになるのです。
また,体と心とは密接につながっているので,写真のような正しい姿勢をしていると,悪い事を考えるのが難しくなります。首を曲げて,体も曲げる悪い姿勢をしていると,相応に悪い事を考えやすくなります。
その上,さらに,正しい姿勢をしていると,驚くべき現象が生じます。
A,一緒にいる人が良い姿勢になる
私は,打ち合わせの時も,できるだけ正しい姿勢で座るようにしています。
すると,同席の方が,だんだん良い姿勢になっていきます。
打ち合わせの途中で,姿勢の話しをちょっとしたら,その先は,相手の方もずっと良い姿勢でいようと努めてくれます。
「外的効能」が出るのです。
学校の先生が懇談会で,良い姿勢で座ったら・・・
話しの途中で,姿勢について,ちょっと話したら・・・
家でも御家庭でも,姿勢良くしようと心がける風潮が生まれてきます。
嬉しい姿が広がります。