【横山験也のちょっと一休み】№.3161

昨日のニュースに、平城宮跡から奈良時代の竹尺が出土したと出ていました。
記事を読んだのですが、感動しました。<こちら

記事によると、全長が約45cm(1尺5寸)の物差しとのことです。
有難いことに写真も出ています。
読売新聞では、かなり解像度の高い写真がアップされているので、その目盛りの様子までよく見えます。

目盛りは墨でかかれています。
が、細い筆で線を引いているのではありません。
鋭利な刃物で竹に切れ込みを入れ、そこに墨を塗って拭き取ります。切れ目に入った墨は拭き取れないので、乾くと目盛りになるわけです。
版画の要領に似ています。
その切れ込みまで、写真で見ることができました。

今の時代の竹尺には、5cmや10cmの区切り目には、赤い丸や半円の模様が付いています。
今回出土した竹尺には、それがありませんでした。
出土した竹尺は、装飾品ではなく、実用品らしいとのことです。
日ごろ使う竹尺には、赤丸や半円は必要なかったと考えられます。
すると、赤丸・半円には、区切りの分かりやすさという実用面とは別に、見た目を少々良い感じに思わせる装飾の意味もあることがわかります。
ちょっとした発見をしたようで、とてもいい気分です。

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