【横山験也のちょっと一休み】№.2271

6月になりました。
楽しみです。
やるべきことは、進み続けることです。

■かけ算の筆算「たすきがけの法」■
15世紀ごろのイタリア。
どうしたことか、計算熱が非常に高まったそうです。
数学史で有名人のルカス・パチオリという数学者が、かけ算のやり方を8種類も記録に残しています。

その中の一つに「たすきがけの法」があります。
右の画像が、その方法を筆算形式で表したものです。

一寸考えると、やり方がだんだんわかってきます。
計算途中の1段目、「12」は3×4でできているとわかります。
3段目の「800」も4×2とわかります。

すると、残りの「220」も次第にわかってきます。

これを色別で整理すると、下のようになります。
22の所は、4×4と3×2を合わせた数です。

このやり方は、少々ややこしいのですが、暗算の得意なインド人は「雷光の法」と呼んだそうです。

もし、時間があり、この計算を子ども達に紹介するとします。
その時には、「たすきがけの法」と表記して筆算を板書して、どうやって計算をしているのか考えさせるといいです。

原因(式)と結果(途中のやり方と答え)を見せる形になるので、その間の証明がとてもしやすくなります。

子ども達がやり方を納得したら、3桁の「たすきがけの法」を考えさせてみましょう。
答えは右のようになります。
なかなか難しいですが、こういうことを考えるのは面白いですね。

※「たすきがけの法」については、『カジョリ初等数学史』に載っています。

こちらの2冊には面白い算数の授業が載っています。
「分数の紙」は、とにかくわかりやすい教材です。
算数を幅広く学んでみたいという先生にお薦めです。
この本に登場するネコちゃん、可愛いです。


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