城ヶ崎滋雄先生,佐々木智光先生と,「チーム算数」の7月例会を開きました。

6年の「拡大図・縮図」で,城ヶ崎先生が『子どもが夢中で手を挙げる算数の授業』のDVDを使って授業をしました。そこからの提案です。
新しい「作図指導の基本」といえるような提案でした。

もっとも大事なことは,ソフトで作図の様子を何度も見せることです。
1度や2度ではありません。
話を聞いていると,10回ぐらいは見ています。
しかも,手順をそらんじて言えるぐらいに,子ども達を高めていくのです。
その結果,子ども達は拡大図をすいすいと描いています。
楽しく取り組んで,すいすい描いてくれるのです。
こういう授業は,私も好きです。

その手順をご紹介します。城ヶ崎先生発案の「ドライブ作図指導」です。

1,作図結果を見せる
ソフトの利用1回目。
まずは,ソフトで拡大図ができあがっていく様子を見せます。
特に,解説はしません。
「2倍の拡大図」がソフト画面で完成されたとき,こういう図を描けるようにする勉強をすることをハッキリ伝えます。
これにより,作図の結果がどういう状態なのかを,子ども達が頭にしっかり入れることが出来ます。

これを,城ヶ崎先生は「ドライブ」に例えていました。
まず,「目的地をハッキリさせる」
これを行うことが大切なのです。
そのとき,作図手順も同時に見ているので,「大筋のルートも分かる」事になります。ここも,大切なポイントです。

2,次のステップを予想
ソフトの利用2回目です。
もう,ゴールとあらかたのルートが分かっているので,ここでは,「次に何をするのか」を問います。
でも,1回しか見ていないので,明確に答えられなくて当たり前です。
「定規だったかな」「コンパスだったかな」。こんな状態です。

これを何度か繰り返します。
すると,次第に,次に「何を使ってどうするの」か,正しく答えられるようになってきます。
これが,地図(カーナビ)を見ないでドライブ(作図)するためのレッスンになります。

3,「定規!」「コンパス!」と声を出す
ソフトを何度も見せると,当然,子ども達はその手順がわかってきます。
「もう,みんなわかったかな」と思った時に,念のために「念押しの指導」をします。
「念押しの指導」というのは,みんながわかったなと思っても,そこからさらに,何回か繰り返す指導のことです。
これにより,鉄壁の指導となります。

「念押しの指導」の段階では,子ども達が楽しめるように行います。
城ヶ崎先生が行った指導は,「道具名を言う指導」です。
ソフトにコンパスが出来る瞬間に「コンパス!」と唱えさせ,定規が出てくる瞬間に「定規!」と声を出させます。
タイミングが早かったり,遅かったり,ぴったりだったり,子ども達は盛り上がります。
ゲーム感覚で楽しめる授業になります。

こうして作図の手順がすっかり体にしみこんだ後,いよいよ実際の作図です。
子ども達は,コンパスや定規を出し,指定された拡大図を描きました。
なんの問題もなく,すいすいと作図をしたそうです。

これはすごいと思いました。