英語のわくわくプリントの新作が、さくら社HPにアップされました。
関心のある先生、ぜひ、御活用下さい!
<こちら>です。
今日は、読書ぐらいしかできないまとまった時間があったので、『遠山啓』を読みました。
これは、名著ですね。
よくぞ、ここまで編んで下さったと、ありがたい気持ちで一杯になります。
いつもなら、ペンでガンガンに印を付けるのですが、畏れ多い気持ちが湧いてきて、薄く少し書くにとどめました。
それでいて、勇気が湧いてくる、実に素晴らしい本です!!
◎ 身近なものほど“経験しやすい”ことは事実だが、“認識しやすい”とはいえない。(p214)
◎障害児を「特殊」とみなす教育観から脱却し、それは質の差ではなく量の差にすぎないという人間観・知能観に立ち、人間としての知的発達をあきらめず、指導のしかたを工夫しさえすれば、健常児同様、障害児も抽象的な概念に接近していけるという事実を見せられ、滝沢は驚愕したことを率直に告白している。(p243-244)
50年も60年も前、まだコンピュータが身近になかった時代に、遠山啓はここまで見通していました。
私も量をこなせば質に転化することは、「量質転化の法則」から、実にそうだと信じていました。
しかし、実際にそれを算数の授業で展開することは、できませんでした。
繰り返しの授業をしても、肌感覚で質的に転化することを実感できなかったのです。
肝となる「短時間」「大量の反復」の両方を満たすことが、黒板の授業ではできなかったのです。
時は流れ、PCが登場。
ソフトを使って授業ができるようになりました。
「量質転化は起こる!」と確信していたことが、現実となりました。
それが、日本のみならず、ルワンダでも。
◎障害児に「2+3」を教えるとき、実物のタイルを使って説明しても、2のタイルと3のタイルは離れたままで、「足して5」というまとまりになることを理解できなかった。だが、二つのタイルをぶつけてカチンと音をたてるようにしたら、はじめてひとつになったことを理解してくれた。(p251)
ここを読んだ時、算数ソフトを遠山先生に見ていただきたかったと痛烈に思いました。
動きを見せること。
それを短時間に繰り返し見せること。
効果音を入れること。
これこそが理解への究極の道なのです。
この本を読んでいると、遠山先生が算数ソフトへ太鼓判を押して下さっている気持ちになります。
そうして、「横山先生、やれることを精力的にやり進めてください。」と声をかけられている気になりました。
夢に描くアフリカプロジェクト。
アフリカチームの皆さんと一緒に、しっかりと進めたいと思います。
この本、読むのは4時間ほどでした。
しかし、この本は制作に時間がかかっただろうなと思います。
数年、いや5,6年はかかったのではないかと、読書中に思いました。
奥付には、「本書の執筆と制作にほぼ二年を要しました。」とあります。
にわかには、信じがたいです。
資料の整理がそうとうできている状態ということが推察されます。
この仕事をされた著者の友兼清治氏の情熱、勉強になります。
--
関連記事: