山本正実先生の『伝わる伝わる見える指導』は,書いてある事例が具体的なので,読んでいるとあれこれ触発されてきます。
返事と言えば「はい」です。
でも,元気がなかったら,「はい!」と言えるように指導したくなります。
通常は,先生ご自身が良い声を出して,それを手本に・・・となります。これは,誰でも気がつき,誰でも行います。昔からある「師範を示す」指導法です。
これにもう一つグイッとと来る指導を加えられたら,子ども達への浸透が変わります。
『伝わる伝わる見える指導』の一つ目の事例は,黒板に「はいっっ」と書いて,声の出し方を「見えるよう示す」ことが載っています。
なるほど!と思います。
師範を聞いて声の雰囲気がわかり,その上に,目で小さい「っ」が2つもあることから,その気迫が伝わります。ぎゅっと,声を絞めないとならないことが,目からも伝わってくるのです。
効果があるはずです。腕利きの先生が使う優れた方法です。
私は,こういうちょっとしたところの,気の利いた「見える指導」が大好きです。若い頃から,すぐにまねしていました。
まねして,効果を感じ取れたら,楽しみが2つ出てきます。
1つは,目の前の子が変わっていく楽しみです。担任として嬉しくなります。
もう一つは,後々に,自分でも,別のことで似たような「見える指導」が湧き出てくる楽しみです。
若い先生はとにもかくにも,大量の「見える指導」をガツガツと知ることです。その量が,後々の頭の冴えを生み出します。
お薦めします!