【横山験也のちょっと一休み】№.3277
さくら社で終戦間もない通信簿を拝見しました。
昭和25年度の通信簿には、それまでなかった「教育の具体目標「よい子」」が載っていました。
今でいうところの、学校訓です。
たいていは3つなのですが、この小学校では6つもあります。
「ちょっと多いなぁ」と感じますが、よく見ると、右の3つと左の3つに分かれているようで、メインは右の3つなのでしょう。
つよい子
明るい子
考へる子
学校訓は、この通知表を発行した小学校同様、たいてい3つで形成されていて、その3つを支えているのは、「心・頭・体」です。
学校によって、かしこくなろう(頭)、優しくなろう(心)、たくましくなろう(体)などと、言い回しが変わっても、たいていは心頭体の3つがより良くなるようにと願って載せています。
「心頭体」で見ると、左の3つも、やはりこの範囲と理解できます。
仲のよい子(心)
技能をもつ子(頭)
実行力のある子(体)
きっと、通信簿をどういう形にするか校長先生や教頭先生たちが練ったのですが、左の3つもどうにも捨てがたく、行を詰めてでも載せよう!となったのだろうと思います。
子ども達を思う先生方の心が伝わってきますね。
この通信簿には、「通信」という欄、今でいう所見欄もありました。
2学期の終わりの2行がすこぶるいいです。
—
成績大いに向上。
ほめてあげてください。
—
先生の喜びが、心からこみあげてきて筆を走らせたと感じられてきます。
こういう一筆、私も書きたかったなぁと思います。
終戦間もない通信簿は、よく見ると随所から先生方の熱い思いが伝わってくるので、見ていると心が温まります。
—
通知表の所見欄に書く内容も、時代と共に書き表し方が変わってきます。
昔の良さを頭の隅に入れつつ、今の時代に合った心のこもった一言を記していただけたらと願っています。
—
関連記事: