【横山験也のちょっと一休み】№.2464

所見のスペシャリスト、山中伸之先生の『所見辞典』をお持ちだと思います。
まだの方、この年度末に向けて、お手元に置いてみてはいかがでしょう。

読んでみるとわかるのですが、所見を書く時にも役立ちますが、新年度のスタート時にもちょっと開いても、「そうなのか」と伝わるものが出てくるいい本です。
きっと、来年度の新しい学年が決まってからも役に立ちますよ。

山中先生は栃木や東京で、毎月のようにセミナーを開いています。
3月16日(土)には「文学的文章教材の素材研究から発問づくりまで」を開催します。場所は小山市です。
関心のある先生、ぜひ、足を運んでみてください。

■ わり算の筆算「スイートポテト」 ■

今、わり算の筆算について、あれこれ考えているのですが、「スイートポテト」は絶品ですね。
「立てる→かける→ひく→おろす」
このアルゴリズムを、一気に「面白く」、しかも、「分かりやすく」したのがスイートポテトです。


若いころですが、教育雑誌に、「立てる→・・・のアルゴリズムを発見したのは私たちの研究団体だ」というような論述を読み、これも教育現場の研究で生み出されて定着した方法と知りました。
そういうことを知り、「すごいことを考え付た先生がいるものだ」と、いたく感動しましました。

しかし、もう一方の所にいる自分は、「これって、つまらないんだよなぁ。」と思っていました。
意味の異なる動詞が連続しているためか、その順序に必然性がすんなりとは伴いません。
「淡白なんだよなぁ」と、少々冷めた感覚を持っていました。

とはいっても、「立てる→・・・」に代わる、画期的な方法を見つけることは自分にはできていないので、そこがなんともお恥ずかしいという思いもありました。

でも、問題意識として持っていると、フッと名案に結びつくものですね。
生み出されたのが、「スイートポテト」です。
「立てる→・・・」を補う面白い教具です。
これを授業でやったら、子供達に大受けです。
面白がって、わり算を取り組みます。
知り合いの先生からも、「全員がわり算の筆算を出来るようになった」という、嬉しい報告も聞いています。

こういうことを思い出すと、大事なことは、
・問題意識の持続
と思えてきます。
しかしながら、このスイートポテトは、問題意識を持ってから生み出すまでに、10年以上の歳月が流れています。
ちょっと、かかりすぎと思います。

また、心の中に秘めておくこともあります。
それは、
・いつか、自分が解決をして見せる
という思いです。

頭で「問題意識」、あるいは「課題を持つ」。
心で「自分が解決」。
そんなようなつながりです。

どう解決するかは、自分のセンスと思っています。
私には、
第一に、それは面白いか。
第二に、それは分かりやすか。
この2つを満たしているかどうかが、私にとっての解決のボーダーラインです。

と、分かったようなことを書いていますが、振り返るとこんな感じという話です。
それでも、今も数年先には解決したい問題意識を持っています。
もちろん、自分が解決せねばとも思っています。
面白いものです。

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