北海道の柳谷直明校長先生が編集されている『私家版「鍛える国語教室」22 国語科「学習用語」指導実践集2(低学年編)』です。
タイトルにあるように,「学習用語」に強い焦点を当てた授業実践が12本も掲載されています。
例えば,太田先生の論文。学習用語として,「話題」「構成」「小段落」「大段落」「要約」「要旨」「立場」「発言」「根拠」などが載っています。意図的にこういう用語を学習させていくのですから,力がつきますね。
12本それぞれが「現状の問題点」→「打開の方策」を示しています。この形は実によいです。読み手として,ちょっと本気になって読んでしまいます。こちらの気合いが高まるので,読めば読むほど勉強になります。
柳谷先生はズバズバ書いています。痛快です。
大谷先生の「平仮名指導系統図」はハッとさせられ,おおいに勉強になりました。この図を参考に,自分ならこうすると考えてみる先生が出て欲しいですね。「大谷図」を超えて進む先生は誰でしょう。
神話が1本入っていました。「国生み」の所で,1年生への授業です。1年生の子に神話。これだけで,十分に学習の意義があります。
子ども達がかなり興味を持ったようで,そういうことがよくわかる良い内容です。
気になったのは,塩。どうも,漢字に振られています。
もしかしたら,参考にした書籍に注釈がなかったのかもしれません。
話は変わりますが,「国生み」のすぐ後には,イザナギとイザナミが結婚する場面が出てきます。
ここの場面,作法的には,「左優先」の古来日本人の思想が学べます。
また,「順番を守る」「ダメだったら,逆にしてみる」といった思考法が,日本人古来の思考方法なんだと哲学することもできる場面です。
古事記や日本書紀は,こういう古来のあれこれを考えさせてくれるありがたい書です。