【横山験也のちょっと一休み】№.3321

『吾妻鏡』の第1巻の半分ぐらいまで進みました。
読んでいると、鶴岡八幡宮への頼朝の熱はすごいですね。

場所を変えたことにも驚きましたが、由比が浜からまっすぐに伸びる参道は、頼朝が政子の安産を願って作ったものと出ていました。

鶴岳の社頭より由比の浦に至るまで、曲横を直して詣往の道を造る。

「鶴岳」は鶴岡八幡宮のことです。「直して」というのが、まっ直ぐにすることです。
この「直して」というのは、論語の「直きを挙げて これを枉(まが)れるにおけば、則ち民服せん」にも似た表現で、「直すの基本は、まっ直ぐ」と感じてきます。

ところで、先日、神宮外苑の再開発がニュースに流れました。大がかりな工事になるので、ニュースにもなっていますが、鎌倉ニュースというのがあったら、1182年3月15日の速報で、「八幡宮参道再開発、参道をまっすぐに!」「北条時政組に工事の指名!」と出たように思えます。
その再開発の理由が世のため人のためではなく、政子の安産祈願です。現代ではありえません。頼朝は巨大な力を持っていたことが伝わってきます。

小学校で6年生を教えたことがあり、鎌倉見学もありました。
鎌倉駅から八幡宮への行き帰りは、「土産が気になるなら小町通を、歴史を感じるなら若宮大路を」と話していましたが、今なら「若宮大路は必ず通りましょう」と言いそうです。

貴志先生の『吾妻鏡』、「へー」があちこちにある楽しい本です。

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