松尾英明 著
22.7.22 発売
「きめ細かな指導」「個に応じた指導」が重視される学校、そして先生たち。が、度を過ぎて「親切すぎる」「丁寧すぎる」対応や習慣が多いとは思いませんか。
それにより先生方もたいへんな思いをしていますが、実は、これが子どもや保護者を苦しめる原因となっているのでは……という問題提起とともに、「そもそも教師がやたらと”親切”なのはなぜなのか」の考察、教師があえて”不親切”になることで子どもたちを主体的に伸ばすことができるのだという大胆な提案まで、新進気鋭の現場教師である著者が超具体的な例を通して書き下ろしました。
【もくじ】
一、「楽しい授業」をやめる
――親切・丁寧・サービス満点をやめて、学力向上
1 サービス満点の「楽しい授業」を捨てる
2 やってる感で○つけをしない
3 不親切こそ学力を向上させる
4 寄り添い過ぎれば「つきまとい」
5 学習を我慢させない
6 「漢字が書けないと将来困る」のウソ
7 読めない漢字もばんばん板書
8 「○○ができない」で困るのは誰か
9 「できる」以外の目標を
二、習字の掲示をやめる
――教室環境をこねくりまわさない
10 教師が作る美しく整った教室掲示
11 同じ字を並べて掲示する意味は?
12 「私の選んだ字」で個の掲示
14 個人別クリアファイル掲示物
15 教室のモノの配置
16 教室に「子どもだけの空間」を
三、「してあげる」をしない
――担任がすべてを請け負わない
17 名前シール貼りの親切
18 「主体性をもたせる」?
19 「休み時間を削って授業」は権利侵害
20 あえて一緒に遊ばない
21 休み時間は「みんな」で「ドッジボール」
22 「一人ぼっち」の子ども
23 百点満点をほめるより
24 勉強しなさいと言う代わりに
四、「揃える」をやめる
――時代おくれの根性論排除
25 真夏も真冬も体操服は同じ
26 体操服指定縛り
27 「標準服」の合理的配慮
28 「揃えない」ことで自由になれる
五、「きちんと座りましょう」のナンセンス
――個性や発達の違いを理解する
29 「座りなさい」より「歩いてもいいんだよ」
30 「乱暴な子」と言われてしまう子ども
31 発言できなくても構わない
32 「喋らない子」はよく聞いてくれる子
33 「背の順」は身体的特徴による差別の誇示
34 髪型・服装指導問題 その1
35 髪型・服装指導問題 その2
36 左利き用文房具
37 給食は「完食」が目的じゃない
38 「苦手なもの」はあっていい
六、かわいい子には……
――「危ないからやらせない」が将来一番危ない
39 子どもの危険対処能力
40 学校は「安全第一」
41 鬼ごっこは「自己責任」
42 子ども同士のけんか
43 破る者がいる前提のルール
七、子どもの家庭を覗かない
――それこそ余計なお世話であると知る
44 家庭にも不親切教育をすすめよう
45 親切な教師は、毎日宿題を出す
46 宿題を出すのならば
47 「母の日」「父の日」はスルー
48 「早寝早起き朝ごはん」ができない家庭
49 感謝の手紙を「書かされる」違和感 |